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「DVD付きの本のが安くね?www」の仕組み

コミックスは「出版社」「流通」「書店」によって読者の手元に届けられる。

作家が描く

出版社が編集する

印刷所

卸業者が流通する

書店に並ぶ

という流れになるのだが、このとき「売れ残った本」がどうなるかご存じだろうか?
「そりゃー在庫になるに決まってんべ」ということなのだが、では誰がその在庫を抱えることになるのか?

答えは「出版社」である。
書店で売れ残った本は出版社へと返品される。
(正しくは「取次」と呼ばれる流通にあたる部分)

出版社は返品された分は売り上げにならない。要するに返品分は赤字になる。(既存の売り上げが上回れば黒字だが)
となると出版社は「返品されたくない」わけである。

ここで『再販売価格維持』を使った裏ワザが登場する。


そもそも何故、書店は売れ残りを出版社に返品できるのか?
書籍やCDに関しては「委託販売」として、平たく言えば「売れ残った分は返品できる」という制度がある。

『再販売価格維持』があると「定価」での販売を義務付けられるため、書店側で「売れ残ったから安くして売るわ」ということができない。
(野菜などは売れ残ると安くなり最終的には廃棄されるが、本やCDは物質としての鮮度が落ちないため永続的に定価で販売できる)
(ゲームやDVDは『再販売価格維持』の対象外なのでワゴンセールが可能になるが、本のワゴンセールはまずない)
となると売れない本はいつまでも残ってしまい、書店は新し本を仕入れられなくなる。これは出版社にとってもよろしくない事態である。

そこで対応処置として「返品」があるのだ。
売れ残った分は返品していいから、また新しい本を仕入れてね、というわけだ。

もともと返品は「出版」「書店」両方の利益のために必要な手段であったといえる。
しかしいまは状況が変わってきている。
出版業界は赤字続きで、今ある赤字を次の黒字で埋める、という自転車操業をしている。
それでも次も赤字なわけだから永遠に黒字など出ない。

そこに書店からの返品でさらに赤字となっては経営できないのである。
そこで『再販売価格維持』を逆手にとった方法が出てくる。
それが「DVD付きの本」なのだ。


これはその形態にもよるが、『再販売価格維持』に定められている商品は、
・書籍
・雑誌
・新聞
・音楽ソフト(音楽用CD、レコード、音楽用テープ)
となっている。このため売れ残りの雑誌やCDが返品されるのは上記のとおりである。

しかしこの例外として、
・映像ソフト(ビデオ、DVD)
・コンピュータソフト(ソフトウェア)
・ゲームソフト
には適用されない。

つまりこれらを含んだ商品は、 返 品 不 可 能 ということになるのである。

これらを含んだ書籍や雑誌、CDを買った小売店は返品できないため全部売るしかないのである。
当然返品が無いわけだから出版社はこれを純利益として即座に計上できる。後からの赤字も無い。
これを知らずに仕入れてしまった小売店は「返品できないって?」ということになるかもしれない。

この商法に関しては2004年に公正取引委員会が「CDなどの再販商品にDVDなどの非再販商品をセットにして定価販売することは違法」と指摘し、これに伴い一部メーカーは(「初回限定」などを除き)DVD付きの発売を取りやめた。
が、これは「指摘」であって未だ強制ではない。やってやれないこともないグレーゾーンであると言える。


さて、ここまでの「返品できるもの」と「返品できないもの」の違いについて理解したところで題名にある「DVD付きの本の方が安い」というものに至る。
『再販売価格維持』の適用製品ではないから「返品できない」が、『再販売価格維持』の適用製品ではないから「価格を変更できる」ということになる。

本は『再販売価格維持』の適用により、コミックスの新刊などは常に定価である。
それでもDVD付きだと(仕入れ後の返品はできないが)価格を下げて売ることができる。

出版社からしてみたら卸した時点でもう純利益を計算し、返品もないので書店での売値がいくらになろうと関係ない。
本来、お互いの利益を守るために行われていた慣行を崩した形でもある。
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