スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ザ・インタビューズの恐怖

http://theinterviews.jp/
『ザ・インタビューズ』というサイトが話題である。
これは正直、ものすごい楽しいことになるだろう。そうものすごくだ。

そして間違いなく叩かれる。注目されれば当然だ。
そして間違いなく中毒症状がでる。面白ければ当然だ。
そして間違いなくつまらなくなる。はまり過ぎれば当然だ。
そして間違いなくモラルハザードが起きる。人が増えれば当然だ。

インタビューの何が面白いのか?
人は他人に興味を持たれることが何よりも楽しい。
それは「友人を増やすには自分に興味を持ってもらうよりも、他人に興味を持ってあげるほうが早い」という持論に基づく。私はこれを事実だと思っている。

初対面でも会話を途切れさせないテクニックをご存知だろうか?
「質問すること」である。
そうすると相手は何かしら必ず答える。そうすると会話が派生し、途切れることはない。

「質問」というものが持つ魅力というものは、自らの「知りたい」という欲求以上に、他者の「知られたい」という動機によって支えられる。
人がこの魅力に逆らうのは難しい。
この「好奇心の恐怖」を知るものは自衛の手段を取るだろう。つまり安易な質問には答えないことだ。そして慎重になる。

街頭インタビューでマイクを向けられて、「今の政治をどう思いますか?」などとテレビにインタビューされたらどうだろうか? あなたは容易くそれに答えてしまうのではないか?
テレビである。しかも自分が答えたい(社会に対して広く言いたい)ことだったら、絶好のチャンスである。考えるより先に貴方はマイクに向かって喋っている。
そしてテレビは報酬を支払わない。
街頭インタビューで報酬などと聞いたことが無い。タレントはテレビに出てコメントすれば報酬が出るのに、街頭ではタダなのである。この辺りがインタビューの恐怖だ。

あなたは質問に答えたことで、いくばくかの満足感を得て帰路に着くだろう。
だが貴方は自分の持つ情報を相手にタダで渡しただけで、自分は一時的な満足以外何も得ていないのである。
それに引き換え、テレビ局は無料で他人が知りたがっている情報を入手し、それでお金(に繋がる視聴率)を稼ぎ出す。

人の善意に漬け込んで、ゼロから有料のサービスを生み出す。これを搾取と言わず何と言うか!
ザ・インタビューズの構造はそれと同じである。
自分は仕事柄、絵描きのフォロワーが多い。当然人気者は質問も多い。
「どんな機材を使っていますか?」「どんな手法ですか?」
おいおい、君達。それはこれまで雑誌やメディアがメシの種にしてきた質問だぞ。
それが今やネット上で、誰でも、手軽に、タダで、聞けるだなんて。

これもインターネットの普及による情報社会の変革の一部なのだろうか?


私は少し前まで、『Q&Aなう』というサイトにハマッていた。
このサイトが爆発的な人気を誇っていた時期に起きた興味深い現象を見てみたい。

このサイトはいわゆる、よくある「質問サイト」なのだが、ツイッターと連動したことで更新の速度が速いことがメリットだった。質問して1分以内には回答が付く。
これを別の言い回しで表現してみよう。
「話題を振れば、1分以内にリアクションが返ってくる」という事実。
ツイッターではこうはいかない。1人でつぶやいていてもスルーされるだけだ。

だが、このサイトは「質問サイト」であり、参加者には「回答」という義務が設けられる。
「義務だから仕方が無いなぁ」と半ば無意識に回答するのだが、やってみるとなかなかどうして、
こ れ が 楽 し い。 驚くほどに、だ。

「何でもいいから嘘をついてください」
もはや質問どころかお題である。だが、こうした質問が投げかけられると皆が頭を捻って面白い回答を競い合ってしまう。
面白い回答がでれば、とんち問答のように「やられた~」という思いに駆られる。
人気の回答や面白い質問は上位に押し上げられて注目される。
しかし最盛期には、ただ「おはよー^0^」という質問?に、大量の「おはよ~^0^」が返される始末。
もちろんこれを「質問サイトとしての機能を失っている」と非難した者もいた。

この頃、サイトの参加者は10代を中心にかなりの数であった。
しかしこうなるとこのサイトはもはや「質問サイト」としての機能、つまり「疑問を解決する」という部分よりも、「他人とのコミュニケーション」を主とするサイトに変貌していた。
「新宿駅の周辺にある美味しいお店は?」などという本来の質問は大量の「おはよー^0^」などに流され、一向に解答が付かない状態が続き、ついにサイトの運営者は「質問以外の投稿」を禁じた。


私はこのサイトは10代を中心としたコミュニケーションサイトとして、ある種の成功を収めていたと思う。
発想の起源は質問サイトだったとしてもだ。
純粋にユーザー数の獲得が目的であったのなら、柔軟に考えて「これでもいいか」という発想へのシフトも可能だったろう。
だが、このサイトの運営者の理念はあくまで「質問サイト」として機能することだった。
彼は自分の理念に忠実に殉じた結果、サイトの利用者は激減し、一時期の最盛は幕を閉じたのである。

この現象が良いか悪いかは、ここでは問わない。
問題はザ・インタビューズとの相似点として「質問によってコミュニケーションが図られる」という点である。
この点でザ・インタビューズの成功は目に見えている。それは上記のQ&Aなうでの事象が物語っている。

そもそも恥ずかしい話だが、自分も「妄想インタビュー」なる遊びをすることがある。
自分がこんな立場だったら、こう答えてみたいな。などと有名人のインタビューを見ながら思うのだ。
(『低俗霊DAYDREAM』という漫画の主人公もやってたなぁ・・・)
誰しも少なからず、こういった願望はあるのではないだろうか? テレビのニュースでアホな回答をする人間を見て、「自分だったらこう答えるのに」といったように。ギャルゲの選択肢がアホなものしかなくて「俺だったらッッ・・・!!」とか。まぁ、それはシナリオ上のもんd・・・

「商品やサービスというものは、人々の“欲求”を具現化することだ」

ザ・インタビューズはまさにそれをやってのけた。
2ちゃんねるなどでも、「○○だけど質問ある?」はその体系だろう。
まさにインタビューに他ならない。人々の関心はずっとインタビューにあった。
それを満たすサービスが今出てきたのだ。

だが、我々はそれに充分注意しなくてはならない。
一般レベルでは問題ないかもしれないが、技術者や専門職の人間、情報管理を行っている人間はマイクを向けられただけで答えてはいけない。慎重に吟味し情報を管理すべきだ。
普段我々が嘲笑っている政治家の曖昧な回答を笑えなくなる日も近いのではないか?

少なくともザ・インタビューズには「回答しなくてもいい」という猶予はある。
リンク
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
プロフィール

idsuru

Author:idsuru
http://www.idsuru.com/

最新記事
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。